ADMIN MENU > | IMAGE | WRITES | ADMIN
スポンサーサイト 
--.--.--.-- / --:-- 
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
『沖で待つ』 絲山秋子  
2006.08.03.Thu / 01:25 
私が行く町医者の院長は本好きのようだ
患者さんを待つ間に本を読んでいるところを何回か見かけたことがあるし、随分、前のことになるけれど待合室で読書中の私に栞(しおり)をくれたこともある

ーーーーー2003年12月21日 待合室ーーーーー
いつもすいている近所の小さな病院だけど
私はここの先生に病気を見つけてもらったので、とても信頼している。

風邪が流行ってきているせいか、いつになく混雑している待合室。
MDが入っていないか、バッグの中を探してみたけれど
生憎全部家に置いてきてしまったようだ。
その代わりに長いこと、ムスコから借りっぱなしの文庫が1冊見つかる。

ムスコの本。
彼は気に入った文章を赤いボールペンで線を引きながら読む。
時に赤面するような文章に赤線が引いてあることもあって
それなりにおもしろかったりする。
この読み方は彼が高校生の頃、かなり傾倒していた某作家さんの読み方らしい。

借りっぱなしの文庫もその作家さんの作品。
作品内で引用された文章に赤い線がついている。

『「狂気」なしでは偉大な事業はなしとげられない、と申す人々も居られます。それはうそであります。「狂気」によってなされる事業は、必ず荒廃と犠牲を伴ひます。真に偉大な事業は「狂気」に捕へられやすい人間であることを人一倍自覚した人間的な人間によって、誠実に執拗に地道になされるものです。』

この文章と出会ったムスコはどんな気持ちで、赤い線を引いたのだろうか。
そんなことを思いながらの読書中、目の前では、おもちゃみたいにちっちゃな子達が汚れのない笑顔を振りまきながら、ちょこちょこ行ったり来たり。
ひょいと顔を出した先生は、たまたま手にしていた栞を私の本の中へ
「これ、あげます。」

古びた病院の待合室でのひととき。

ーーーーーーー

先日、この病院の小さな本箱に入っていた古い「小説新潮」で前回の芥川賞受賞作品『沖で待つ』を読んだ。男女の友情がテーマだろうか、登場人物は少なく、同期入社の男女2人の交流が淡々と書かれている。ストーリー中、最大の出来事と思われる男性の死さえもあっさりしすぎるくらいあっさりと書かれていて、逆に心に残った。では、この作品が好きか、と聞かれたらそれ程でもないのだけれど病院の待合室で読むには過剰な刺激もなく(他の作品を推した審査員も多かった?のも納得)程よい本だった。
スポンサーサイト『沖で待つ』 絲山秋子 へのコメント
   非公開コメント  
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
ブロとも申請フォーム

CopyRight 2006 ママはね、こんなことしてたの All rights reserved.

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。